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当院での手術
望まれない交配による妊娠・出産を避けることの他に、下記の内容を目的として行います。
01
将来的に起こる可能性のある生殖器の病気や性ホルモンに関連した病気の発生を防止する
女の子なら子宮蓄膿症、乳腺腫瘍など、男の子なら前立腺肥大症、精巣腫 瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などの予防がそ の対象となります。なお、乳腺腫瘍の予防には早い時期(遅くとも犬では2回目の発情が始まる前まで、猫では1歳になるま で)での避妊手術が必要であることが知られています。また、精巣が陰嚢内へ降りてこず、お腹の中や鼠径部に留まってい る場合、陰嚢内へ精巣が降りてきている正常な場合と比べて、将来的な精巣腫瘍の発生率が約10倍以上であるといわれて おり、早い時期からの手術をお勧めしています。
01
01の手術によるデメリット
避妊・去勢後に肥満になってしまう子がいます。これは、手術後はカロリー要求量が約20%減るものの、食欲は落ちない (あるいは増加する)ことに関係します。手術後も体型を見ながら食事量を調整することが必要となります。
02
性ホルモンによって引き起こされる性行動に関連した問題行動を防止する
猫では発情時の激しい鳴き声(女の子)、マーキング、他の猫との喧嘩に よる外傷や(猫白血病ウイルスや猫白血病ウイルス などの)ウイルス感染の危険の防止(特に男の子)が挙げられます。犬では発情後の偽妊娠(あたかも妊娠しているかのよう に、おっぱいやお腹がはってきたりします)の防止(女の子)や、マーキングやマウンティング行動の防止(男の子)が挙げ られます。但し、マーキングなどの問題行動は一度学習してしまえば、避妊・去勢後でも改善しないことが多く、早い時期か らの手術をお勧めします。
02
02の手術によるデメリット
避妊・去勢手術には全身麻酔が必要であるため、健康な動物であっても手術における麻酔リスクは0%と断言することはでき ません。手術前検査として、身体検査だけでなく、血液検査を行うことをお勧めしています。また、フレンチ・ブルドッグ、 パグ、ボストン・テリアなどの短頭種では麻酔覚醒時に気道が塞がってしまう危険がある子も多いため、避妊・去勢手術と共 に、軟口蓋過長部位の切除や鼻腔の拡大手術を行う場合があり、手術前に飼い主様への説明を行っています。
※手術のメリット・デメリットを考えたうえで、多くの飼い主様にとって、やはり避妊・去勢手術を行うメリットの方が大きいと考えます。
避妊(女の子)の術式について
避妊手術には一般に卵巣のみを摘出する方法と、卵巣・子宮を摘出する方法があります。主に前者はヨーロッパで、後者は アメリカで好まれている方法です。日本の動物病院でも多くは後者の方法を採用しています。子宮蓄膿症をはじめとする将 来的な子宮の病気の発症を考えた際、子宮の摘出まで行う必要があるかは多くの議論がありますが、術式による子宮蓄膿症 の発症リスクの差はないとする論文が出て以降、現時点ではその結果を覆すような報告が出ていません。当院では飼い主様 からのご希望が特段なく、子宮に問題がない場合、手術の侵襲リスクがより小さいと考えられる卵巣のみの摘出手術を行っ ています。
当院では生後5~6カ月齢以降での避妊・去勢手術をお勧めしています。避妊・去勢手術に関するDVDの貸し出しも行っていますので、ご希望の方は当院スタッフまでお声をかけて下さい。
準備中
整形外科手術
椎間板ヘルニア
背骨を構成する個々の骨(頸椎・胸椎・腰椎)の間にある椎間板が飛び出し、脊髄神経を 圧迫する疾患です。 首や背中の痛み、足の神経麻痺などの症状が現れます。症状が進行す ると腰を浮かすことができない、足をひきずるなどの起立・歩行異常が起こり、重症例では 排尿・排便障害、歩行不能などに陥ることがあります。症状が軽い場合は安静と鎮痛剤など による内科治療、また、当院では半導体レーザーを用いた理学療法も取り入れています。
重症例では、脊髄神経を圧迫する椎間板物質を手術により取り除くことで、歩行の正常化を 図ります。手術後の回復のスピードは、脊髄障害の程度と手術のタイミングに左右されるこ とが多く、さらに手術後のリハビリもとても重要になります。
膝蓋骨脱臼
膝のお皿(膝蓋骨)が、通常位置する場所から内側あるいは外側に外れてしまう疾患です。 小型犬での発症が多くみられます。後ろ足を挙げたままつかない、痛がる等の症状が現れ ます。
脱臼が重度な場合や症状が繰り返したり進行する場合、弱齢で発症した場合には手術適応 となります。手術は膝蓋骨を正常な位置に戻し、膝の安定化を図るために、膝の状態に合 わせていくつかの術式を組み合わせた手術を行います。
前十字靱帯断裂・手術前
前十字靱帯断裂・手術後
股関節形成不全
股関節(特に小型犬の)において、大腿骨の骨頭への血液供給が不足して、骨頭が壊死・ 変形してしまう病気です。突然後ろ足に強い痛みが出て、足をかばう・ひきずる等の症状 が現れます。
内科的な治療に反応しないことが多く、その場合、壊死した骨頭を切除し、歩行の正常化 を図る手術をします。
大腿骨頭切除・術前
大腿骨頭切除・術後
レッグペルテス病(大腿骨頭切除術)
遺伝的要因の関与が明らかである疾患で、股関節の発育や成長異常に伴い、股関節が不安 定となる疾患です。1歳齢頃までには症状が現れることが多く、後肢の歩行異常や歩行時 の痛み等を示します。
股関節でのはまりの浅い大腿骨の骨頭部を切除したり、股関節の角度を矯正したり、人工 関節を設置することで、歩行の正常化を図ります。 当院では骨頭切除術を実施していま す。
股関節形成不全
環椎軸椎亜脱臼
頸椎(首の骨)の1番目と2番目の間が不安定なために、頭を下に向けるのを嫌がったり、 頸部に激しい痛みを訴えたりします。重症例ではふらつきや四肢麻痺などの症状が現れま す。主に小型犬での発生が多い疾患です。
コルセットによる頸の固定で改善しない場合には、ピンや骨セメントを用いて頸椎間の固 定を図る手術を行います。
前十字靱帯断裂・手術前
前十字靱帯断裂・手術後
椎間板ヘルニア
骨盤骨折
主に交通事故などによって起こります。
そのため、まずは命に関わる全身状況の安定化を
図ることを優先し、その後骨折部位の整復をプレート等を用いて行います。
骨盤骨折・手術前
骨盤骨折・手術後
四肢の骨折
(橈尺骨骨折・脛骨骨折・中手骨骨折)
高所からの落下、交通事故などによって起こります。
全身状況の安定化を図ることを優先
し、その後骨折部位の整復をピン、プレート、創外固定などを用いて行います。
近年では
小型犬の前肢(橈骨・尺骨)骨折が多い傾向にあります。
橈尺骨骨折・手術前
橈尺骨骨折・手術後
脛骨骨折手術後
中手骨骨折・手術前
中手骨骨折・手術後
創外固定手術後
股関節形成不全
主に落下事故によって起こります。近年では小型犬の肘関節での発症が多くみられます。
関節内骨折は、より正確な整復(もとの形に戻す)と、プレート・ピン・骨ネジなどによ る確実な固定が必要となります。
手術前
肘関節骨折
手術後
肘関節骨折
手術前
肘関節複雑骨折
手術後
肘関節複雑骨折
成長線骨折
(大腿骨頭成長線骨折、大腿骨遠位成長線骨折)
主に落下事故によって起こります。近年では小型犬の肘関節での発症が多くみられます。
関節内骨折は、より正確な整復(もとの形に戻す)と、プレート・ピン・骨ネジなどによ る確実な固定が必要となります。
手術前
大腿骨頭成長線骨折(猫)
大腿骨頭成長線骨折(猫)
手術後
手術前
大腿骨遠位成長線骨折
手術後
大腿骨遠位成長線骨折
手術後2
大腿骨遠位成長線骨折
準備中